それは人の心の奥底の―――

三日月 千佳

グレイハウンド

【読み】ミカヅキ チカ
【性別】女 【年齢】18 【職業】高校3年生
【PR】一般人、自傷癖、物静か
【性格】高校3年生という危うい時期らしく不安定な精神と10代特有の柔らかさを持ち合わせている。多数決では人の多い方に手を挙げて、周りが黒だといえば黒、白だといえば白。そんな世間一般的、多数的な感覚を持ちながらもほんの少しだけどこかズレている。そんな彼女は僅かなズレの影響故か、ネガティブ思考に陥ったり自傷癖に走ったりすることが度々ある。五月蝿い場所は嫌い、でも静かなところは寂しい。人と関わるのは嫌い、だけど1人は寂しい。
【容姿】黒髪のロングをツインテールにしているがその毛先は周りに乗せられ茶色に染めた形跡があり、所々傷んでいる。瞳は黒く、二重である。肌は整っているように見えるが実際は少々かさついており、それを薄く化粧で誤魔化している。服装は学校指定の制服を着ていることが多い。ただし、職場に限りローファーではなくお気に入りの茶色のブーツを履いてくる。身長は158cm程。
【邂逅】『諦観』
彼女はごく普通の高校生だった。だった、のだ。
中学生から高校生へとなり、出来ることやることが増え忙しいながらにもそれなりの日々を楽しんで、周りと合わせてお揃いのものを買ったり、放課後に食べ歩きをしてみたり。
そんな日々は、少しずつ、けれど確かに形を持って終わりを告げた。
それは何がきっかけだったのかももう思い出せないくらいに些細なもの。高校生3年生になれば誰もがぶち当たる1つの悩みが起因だったかもしれないし、それ以前から彼女は何かに蝕まれていたのかもしれない。
だけど確かな“きっかけ”は“受験”だった。

勉強はそれなりに出来た。けれど先生と意見が合わなかった。両親と言い合いになった。行きたいところがあった、けど仲のいい友達が一緒の大学へ行こうと言うから。
自分はここに行きたいのに。─本当に?お友達と合わせてるだけじゃなくて?ちゃんと自分のレベルに合わせたところに行きなさい。
でも私はこの子と一緒じゃないと。─そこに、自分の意思は?将来は?貴方はいつも周りに合わせてばっかり。勉強も、そのお友達にどうせ“千佳は勉強出来そうだよね”って言われた程度にしかやってないのでしょう?

─あぁ、お姉ちゃんの時はこんなことはなかったのに。

…ねぇお母さん、お父さん、勉強だけは自分の意思でやっていたよ。だって私、本当に行きたいところあったんだもん。ねぇ、お姉ちゃんと比べないでよ。私を見てよ。聞いてよ。

そんな彼女の言葉は音にならず、どろりとしたインクになり心の奥底の透明な水に垂れた。

周りに流されながら“自分の意思を持つことを諦め”、のらりくらりと今日も生きている。
【備考】
彼女は怪異がいつ取り憑いたかを知らない。何故ならば怪異はいつの間にかそこにいたのだから。ただ、彼女は思うのだ。
もしかしたら見えていなかっただけで昔からいたのかもしれないと。

だって怪異は、あの日初めて自傷行為へと走ってしまった時に現れたのだから。

グレイハウンド

遠距離特殊

【宿主】諦観
【実体】発現時に具現化
【能力】増殖
【射程】遠距離
【汚染】初期数値3
【概要】土くれと鉄屑で出来た怪異。宿主の血液が地面に一定量滴った時点で強制的に具現化される。大変珍しい複数体で1組となる怪異で、それぞれに大きな特徴は無いが1cm程度の隙間さえあればあらゆる場所へと侵入でき、宿主から15m以内なら自由に動き回れる。なお、汚染数値によって1体出現させるのに必要な血液量のが変わり、死ぬギリギリまで血を消費して出現させられる個体数は汚染数値×1体となる。

2018/10/14
2018/10/17