それは人の心の奥底の―――

彼ヶ嶺 密花

グラスホッパー

【名前】 - higamine hisoka -
【性別】男性
【年齢】17歳
【職業】学生
【PR】孤独・引きこもり・高校生
【性格】
常に孤独感と自責の念に苛まれ、二つの感情の間で板挟みとなっている。
自身を責め続けることで、いつの間にか周囲からも距離を置かれた青年。
何かにつけて過ちを自分のせいにするのではなく、過去の出来事を自身のせいだと責め続けている。
そんな自分を知られることに怯えており、他者と関わる際にはなるべく自分を殺すよう心がけている。
過去の性格の恩恵か、周りを見て周囲の人間の様子や顔色を伺い、そこから心理状態を予測の元に掌握することに長けている。

【容姿】
174cm / 67kg
黒と白のツートーンの髪に、僅かな鋭さと多大な諦念を宿した灰色の眼。
長袖、襟で口元まで覆うような衣服の下にシャツを羽織り、下は青色のボトムスと黒いブーツが基本。
それ以外にも、高校の制服であるブレザーを着用していることも。
その際には口をマスクで覆っており、彼の口元が顕になることはほとんど無い。

【邂逅】
──自責──
“責任感の強いしっかりした子”だと言われていた。
自分の行い、発言に理由を持ち、周囲を引っ張るために人の前に立ち続けた。
無論、彼は完璧ではない。間違いを犯すこともあったが、周りの人間はそれでも彼についてきた。
それはそうだろう、“責任を押し付けられる相手”がいると言うのは都合が良いモノなのだ。
利用されながらも、彼は前に立ち続けた。利用しながら、周りは彼の背中を追いかけた。
彼の方に不満は無かった。だから、このままで良かったはずだったのに…──
肝試しだと称して訪れた廃墟の中で、“それ”は起こった。
廃墟を根城にしていた怪異に目を付けられてしまい、まず一つ、友人の首が刎ねた。
悲鳴を上げている最中にもう一つ、背中を向けて逃げる途中にまた一つ。
何とか逃げ切り、残った一人の友人と共に廃墟から脱出しようとした時、そいつが言った、「おまえのせいだ」と。
その一言だけで、彼の心は簡単に壊れてしまった。目の前で友人が次々に、鮮血を噴き出しながら息絶えていく恐怖。
その“恐怖”を引き起こし、彼らを殺したのは“自分である”と言う捻じ曲げようも否定のしようもない事実が、彼の心を殺したのである。
そこからは、当時の姿など無かったかのように人が変わった。
学校に行かなくなり、笑顔が消えた。他者と関わらなくなり、明るさが消えた。
今まで築き上げて来た“彼ヶ嶺 密花”と言う人間が死んだ瞬間だった。
人を、友人を何人も、自身の愚かな提案で殺してしまったと言う現実を夢にまで見るほどだった。
その度に、彼は他の何でもなく自分を責めた。それは、元々責任感が強い彼だから、だったのか。それとも、そうするしか無かったから、なのか。
そうして心に“自責”を巣食わせ、以前とは変わり果てた生活から数ヶ月が経ったある日、彼の前に化物が現れた。
巨大な眼球を幾つもその身にくっつけた犬のような見た目の化物。
何故だか、その姿を見た瞬間に彼は確信した。
「こいつからは逃れられない」と。あの時の化物からは逃げれても、俺はこいつからは、こいつからだけは逃げられない、と。
それを見透かしたように、化物は大きく口元を歪ませて笑みを浮かべる。
これが彼と、グラスホッパーと呼ばれる“怪異”との出会いだった。彼の心に糸を張った自責の念に張り付き、代わりに彼に力を与える。
…──過去に囚われ、自責に駆られ、動き出せない青年の、始まりの物語。
【邂逅 弐】
──孤独──
きっかけは、あの日の夜…“宗教団体を壊滅させる”と言う依頼が行われた日。
依頼の後、彼は路地裏で“廿楽 黃”と言う名の知人と出会ったのだ。
…──だが、全てを話すとなると事はもう少し前の時間に遡る。ちょうど、彼を含む対策局の仲間達が目的を達成すべく、各自奮闘していた時だ。
彼は、壊滅対象の宗教団体の手で捕らわれ、陵辱の限りを尽くされていた少女を助け、外へと運んでいた。
彼女は酷い状態で、彼の手で担がれ、運ばれている最中にも呻き声を漏らしていた。
……凡そ、その年の子供が口にするようなモノではない言葉と共に。
それを聞いた時、彼は思わざるを得なかった…。
「 自 分 た ち が 、 も う 少 し 早 く 助 け に 来 て い れ ば 」と。
仮に助けに来る時間が早まっていたとして、その結果が違ったのかなどは分からない。だが、その可能性を考えないことなどできなかった。
いつもそうだ。こうしていれば、こうなっていれば…そんなどうしようもない後悔から、それを考えても仕方ないと分かっていても、彼は自分を責めてしまう。
もう、彼の精神は限界だった。無機質な自分を演じている仮面が、無意識の内に剥がれてしまうほどに。
そんな状態で、彼は例の路地裏で知人の少女、廿楽 黃と出会った…或いは、出会ってしまった。
彼女は彼を理解しようとした。自分を曝け出そうとしない彼に歩み寄り、彼の苦痛を少しでも和らげようとしてくれたのだ。
だが、彼は彼女のその手を拒んだ。そしてあろうことか、“自分が苦しんでいる原因”を“彼を取り巻く周囲の人間”に押し付けたのだ。
自責…その感情が彼の心に深く根付いてから、彼は初めて責任を自分以外の誰かに移した。責任転嫁をしたのだ。
その後は、頭の中で煩わしく彼に語り続ける自責の声に襲われながら彼女の前から逃げ出した。
灯りも点いていない真っ暗な部屋の中で、彼が続いて襲われたのは“孤独”だった。
“自分の苦しみを吐き出せる他人が一人もいない”と言う事実は、ただ一人であると言うことより大きく彼の心を蝕んだ。
孤独…また一つ、自分の中に感情が根付いた気がした。ひとり、一人、独り。なら、この声もきっと、誰の耳にも入らない。
「…──誰か…」
縋るように、酷く掠れた声で彼は言葉を発した。その声は、誰の耳にも届かない。そう、届かない“はずだった”
『どうしたの?』
届くはずのない声に、応える声が聞こえた。グラスホッパー…なわけはない。
だとしたら、あの声は…お前は、誰だ?
『嫌だなぁ、忘れちゃったの?私たち、昔からの友達でしょ?■■だよ。』
……違う、そんな奴は知らない。お前のことなんて、俺は────
いや、そうだ。こいつは俺と昔から付き合いのある友人の、■野だ。そうだ、吉■のことを忘れるなんて、俺はきっとどうかしていたんだろう。
『やっと思い出してくれた?良かった。それじゃ、お話しよっか。昔みたいに、ね?密花くん。』
こうして、彼はもう一つの怪異…ではない。昔からの友人との邂逅を果たした。
“吉野”は、今も昔も変わらないな。…──それで、昔って一体、いつのことだっけ?
そんな疑問すら、少女は甘く溶かしていく。付き合いの長い友達と言う関係に、こちらがその身を浸して融かしていくように。
【備考】
16歳の時から親元を離れ、アパートを借りて一人暮らしをしている。
高校生でありながらも高校にはほとんど通っておらず、単位を落とさないギリギリの日にち分を出席することで進級している。
高校に通うための学費や生活費は両親から仕送りとして送られてきており、同時に自身も引越し業者でアルバイトをすることでお金を稼いでいる。
自炊をしないため、食事はいつもコンビニなどのお弁当か出前をとるかの二択。
アルバイト、通学、買い出し、対策局の任務など必要な時以外は基本外出したがらず、部屋に引きこもっていることが基本。
重いモノを運ぶアルバイトをしているため、力は強く身体は引き締まっている。
対策局に所属していることから分かるように、“自責の念”を持ち続け、過去から抜け出せない自分を変えたいと思っているのが本音。
ただ、それは過去を忘れると言うことに繋がるため、余りに無責任では無いかと言う思考が脳裏を過り、彼の行動を鈍らせている。

『 過去は変えられない、未来は知り得ない。
ならせめて、今を精一杯に生きられたら、
──俺も、少しは変われるだろうか。 』

グラスホッパー

遠距離支援

【宿主】自責
【実体】視認のみ可能
【能力】透過
【射程】遠距離
【汚染】初期数値6
【概要】巨大な眼球だらけの犬の様な怪異。宿主を透過し存在を他人から認識できなくさせる。ただし、透過するのは宿主のみで、怪異が見えてしまう者にはこの怪異だけが見える事に成る。一時的にこの怪異を宿主から遠ざける事も出来るが、宿主の半径15m以内までしか遠ざける事ができない。また、1日に透過できる累計時間は決まっており、汚染数値×10分(1ロル)が制限時間に成っている。

2018/10/14

吉野

遠距離特殊

【宿主】孤独
【実体】常に実体化
【能力】いつかのヨシノ
【射程】遠距離
【汚染】初期数値1
【概要】女子高生の姿をした■■、…■■?否、彼女は昔から君達と一緒に居たじゃないか。特殊な力があるとしたら半径15m範囲内の人物が彼女の事を昔からの友人として扱う事だ。対象者は汚染数値×1人である。いや、いやいや、なにも特殊などではない。彼女は昔から此処に居たじゃないか。何も怪しくも異なりもしない。彼女は昔からの友人、ヨシノだ。

※宿主とこの怪異本人そしてその他に汚染数値×1人が彼女を人間として扱い昔からの友人であるかのように扱う。なので誰も彼女を怪異だとは気付かない。

2018/10/26
2018/10/24